例えばそれは一瞬で 2



 昼休み。
 理事長室の前で、立ち止まる。
 昨日はすごく楽しみだなって思ったけど、やっぱり緊張する。
 コンクールの時やコンサートの時でも、こんなに緊張しなかったのに。
 深呼吸して、ドアをノックする。
 だけど、返事が無い。
 居ないのかな?
 ドアに手をかけて開けてみると、あっさり開いた。
「失礼しまーす」
 おそるおそる声を掛けて、中に入る。
 中を見回してみたら…居た。
 ソファの上で、寝てる。
 思わず忍び足で歩み寄る。
 近づいても、気づかない。
 そういえば、初めて会った時も、ソファで寝てたな。誰も居ないと思ってたのに、人が寝てて凄くびっくりしたんだ。
 その後すぐ追い返されちゃったけど。
 また寝てる。
 疲れてる、のかな。
 そっと寝顔を覗き込む。
 かっこいいな、って思う。
 それから、綺麗だな、とも思う。
 どっちもっていうのは、おかしいのかな。
「君は、人の寝顔を見るのが趣味なのかね?」
「え?えっ…、わぁっ!!」
 突然、吉羅さんの目が開かれて、おれに声を掛けてきて、びっくりして後ろに下がると、机の端に足を引っ掛けて、そのまま尻餅をついた。
 …痛い。
「よくこけるな、君は。もう少し注意力を身につけた方がいい」
「…はい」
 体を起こした吉羅さんに言われて頷く。
 ほんとに、そうだなって思う。
 何か凄くかっこ悪い。
「怪我は無いだろうね?アンサンブルに支障をきたしては困るよ」
「あ、大丈夫、です。おれ、丈夫なのが取り得みたいなもんだし」
 そう言って立ち上がる。
 打った時は痛かったけど、下がカーペットだから、そんなに酷くない。今は何処も痛く無い。
「それで、私に何か用でもあるのかね?わざわざ理事長室にやって来て」
「あ、そうだ!おれ、この間のお礼がしたくてっ」
「…お礼?」
 何のことだ、とでも言うように眉を上げる。
 まさか、この前のこと、忘れてないよね?よくこける、って言ってたんだし、それって覚えてるってことだよね。
「吉羅さん、甘いものって好き?」
「…別に、嫌いじゃないが」
「じゃあ、あの、これ」
 そう言って、吉羅さんにお菓子の箱を渡す。
「…チョコレート?」
「う、うん。あの、疲れた時は甘いものが良いって言うしっ、だから、その、カツサンドのお礼だからっ」
 ああでも、お菓子ってやっぱり子供っぽかったかな。
 でも他に思い浮かばなかったし。
「別に、礼は必要無いが…」
「…う」
「だが、折角くれると言うのなら貰っておこう」
「ほ、ほんと!?よかったあ…!」
 何か、すごくほっとした。
 受け取ってもらえて良かった。何か、それだけですごく嬉しい。
「ふっ」
 おれのその反応を見た吉羅さんが、突然笑い出す。肩を震わせて、すごくおかしそうに。
「え、え?おれ、そんなに変なこと言った?」
「いや……、君は、素直だな」
「えー、そう、かな?」
「ああ、解かりやすい」
 そう言って、おれを見た顔が、やっぱり笑ってて、何か、笑われたのでもいいやって気になった。おれが笑われるんでも、それで吉羅さんが笑ってくれるのなら、それでいいや。
 その顔が見れるんなら、それでいい。
「どうした?」
「え?」
「顔がにやついている」
「そ、そう、かな?あー、そうかも」
 だって、嬉しくて。
「吉羅さんが、笑ってくれたのが、すごく、嬉しいから」
 金やんじゃなくて、おれに向かって笑ってくれたのが、嬉しかったから。
 それが笑いかけてくれたんじゃなくて、笑われたんだとしても。すごく、嬉しかったから。
「……君は」
 吉羅さんが、何か言いかけて、不意に口元を抑える。
 なんだろう。
「どうしたの?」
「………いや。君は、相手に慣れると敬語が消えるんだな」
「あ、うわ!ごめんなさい!」
 そういえば、さっきからずっと普通にしゃべってた。
「別に気にしなくて良い。君はそれで人に不快感を与えるタイプでも無いようだからね」
「い、いいの?」
「ああ。まあ、人目のあるところではちゃんとした方が良いとは思うがね」
 良いって、言われて。
 それでまた、すごく、嬉しくて。
 ほんとに、凄く好きだなあって、思う。
 ちょっとそういう気分に浸ってたら、予鈴が鳴った。
「あ」
「予鈴だな」
 解かってることを言われて、早く帰れって言ってるのかなって思ったら、ちょっと落ち込む。
 でも、このままだと、これでもう、殆ど話す機会がなくなっちゃう。
 それは、嫌だ。
「あの、吉羅さん」
「何だ?」
「また、来てもいい?」
「……」
「駄目、かな」
 用も無いのに来られたって、邪魔なだけだろうし。
 でも、やっぱり、また、会いたいって思う。
「……仕事をしている時に邪魔はしないか?」
「うん」
「居ても君の相手をするとは限らない」
「うん」
「…それでも良いなら、好きにしなさい」
「うん!」
 嬉しくて、そのまま飛び跳ねちゃいそうだった。
「有難う、吉羅さん!また来るね!」
 そう言って、一回頭を下げて、廊下に出る。
 どうしよう、嬉しくて、嬉しくて、顔がにやけて。
 顔が熱くて。
 全力で、教室まで走った。



 勢い良く駆け出して行った後ろ姿を見送って、思わず溜息を吐いた。
 あそこは、本来なら拒絶するべきところだろう、そう思うのに、ついつい容認してしまった。
「おーい、吉羅ー?」
 間延びした暢気な声に呼ばれて、入り口を見る。
「さっき、此処から走って出て行ったのって火原だよな?何しに来てたんだ、えらいにやついた顔してたぞ」
「にやついた、ですか…」
 真っ直ぐに、好意を滲ませる態度と視線を思い返して、また溜息を吐く。期待を持たせるようなことは、すべきではないと思う。
 それなのに、何故裏腹なことをしてしまったのかと、自分のことながらよく解からない。
「何だ、一体?というか、それはどうしたんだ?」
 私の態度に不審を感じたのか金澤さんが問いかけてくるが、すぐに視線は手に持っている物の方へと向かった。
「カツサンドのお礼だそうですよ」
「火原から貰ったのか?」
「ええ」
「ふ〜ん」
 金澤さんがにやついた笑みを浮かべる。それに思わず顔を顰めた。それは、どうやってからかおうか、考えている時の顔だ。
「相変わらず、罪作りなやつだねえ、お前は」
「何が相変わらずなのか、解かりかねますが」
 罪作りというのなら、それこそ学生時代にあちこちとふらふらしていたこの人には言われたくはない。
「まあ、解からないってんなら、それはそれで良いがな。どうするんだ?」
「どうする、とはどういう意味です」
「まさか、気づいてない訳じゃないんだろう?俺が見ても一目で解かったぞ」
 本当に、解かりやす過ぎるのも考えものだ。
 だが、どうすると言われた所で、何もすることは無い。
「どうもしませんよ。何かを言われた訳でもありませんしね」
「告白されたら?」
「相手は学生ですよ。受け入れられる訳が無いでしょう」
 仮にも、この学院の理事長という立場なのだから、むしろそれは当然のことだ。だが、金澤さんはその答えでは納得しないようだった。
「そういう逃げ口上はずるいと思うがな」
「逃げでも何でも構いませんよ。金澤さんも、解かっているでしょう」
「俺は、火原みたいなタイプは、案外お前と合ってると思うがな」
「…合うとか合わないとかいう問題でも、無いでしょう」
 それで相手を選べるのなら、誰も苦労はしないだろう。
「まあ、それもそうか。別にどうするかはお前の勝手だけどな、あんまり泣かせるなよ〜」
 言いたいことを言い切ったのか、またふらりと出て行ってしまう。
 あの人は、一体何をしに来たんだ。
 泣かせるな、か。
 出来るものならそうするが、よく解からない。
 そもそも、何故彼が、あんな目で私を見るのかも、解からない。
 それは一番不可解で、そして厄介な感情だ。
 手に持っていたチョコの箱を開けて、一口食べる。
「…甘い」
 だが、嫌いではない。
 もっと、このチョコレートのように甘くて、解かりやすいものだったらいい。
 埒も無いことを考えて。
 そんな考え自体が無駄なことだと、諦めた。



 来ても良いって、言ってもらってから。
 受験のこともあってしょっちゅうって訳にはいかないけど、たまに理事長室に行ってそこで勉強させてもらったりもして。
 だって、吉羅さんの居るところの方が、何かやる気が出る気がするんだよね。
 特に、吉羅さんが仕事中の時とかは、おれも頑張らなきゃって気になるし。それで勉強が進むかっていうと、まあ、出来てるのかはよく解からないんだけど。
 数学って、何でこんなにいっぱい方程式があるのかなあ。
「うぅーん」
 どの問題にどの方程式を入れるのか、さっぱり解からない。
 何でこんなこと覚えなくちゃいけないんだろう、なんてことまで考えて。でもそんなこと言ってられないから、なんとかしてこの問題を解かないといけないんだけど。
「うーーー」
 解からない。
「さっきから何を唸っているんだ」
「だって、答えが全然解かんなくて」
 仕事をしていた吉羅さんが、見かねたように聞いてきたから、そう呟いた。ていうか、唸り声で仕事の邪魔しちゃったのかな。
「どれだ?」
「…えーと、此処」
 椅子から立ち上がって、おれの方に歩いてきた吉羅さんが、問題集を覗き込んでくる。解からないところを指差すと、すっと顔が近づいてきて、ちょっとドキッとする。
 近くで見ても、やっぱりカッコいい。
「この問題はこちらの方程式を使うんだ」
「え、どれ?」
「これだ。多少応用が必要だが、どれを使うか解かれば然程難しくない」
「…えーと、これ、だよね。だったら、これが、こうなって…」
 吉羅さんに教えてもらった方程式を使って、問題を解く。
 確かに、どれを使うか解かったら、そんなに難しくなくて、すぐに解けた。
「ほんとだ、有難う、吉羅さん!」
「別に良い。唸り声を聞かされ続けるよりはこれくらいは手間じゃない」
「う…」
「加えて言うと、これと、これと…この問題も同じ方程式だ。法則さえ解かれば数学ははっきりとした答えがある分難しくない」
 吉羅さんが言ってた問題を確認する。
 難しく無いって言うけど、おれにはやっぱり難しい。だって、これが何で同じ方程式使うのか、解かんない。
「おれ、理数系苦手なんだよね。方程式とか、化学式とか元素記号とかいっぱいあって、もう訳わかんなくなっちゃって。吉羅さんは得意なの?」
「そうだな、化学は特に」
「えー、いいなーっ」
 吉羅さん、凄い頭良さそうだもんね。
 おれなんか、数学も化学も、教科書見るだけで眠くなっちゃうのに。
「人を羨む前に努力することだな。君はこのまま付属に進学するんだろう、入試まで間が無いのにこんなところで躓いていては結果が思いやられるな」
「う……が、頑張るよ」
「頑張るのも結構だが、結果が全てだ。まあ、こんなところにまで来て問題集を開いている努力は認めるがね」
 言うこと厳しいなあ。
 まあ、言ってることは、本当にそうなんだって思うけど。
「と、兎に角、今は頑張るしか出来ないし!次の問題!!」
 吉羅さんに教えてもらったところからしよう。
 そうしてもう一度問題集に取り掛かる。吉羅さんに教えてもらったところは、法則は今でもよく解からないけど、ほんとにあの方程式で解けそうだった。
 そんなおれの様子を見た後、息を吐いて吉羅さんも仕事に戻っていった。
 何だかんだ言って、教えてくれるんだよね。
 ちらっと横目で吉羅さんを見る。すっかり仕事に集中してるみたいだ。
 そうしてるのもカッコいいなあ、なんてちょっと見蕩れてしまう。
 おれも、頑張ろう。
 吉羅さんに負けないように。


「で、結局どうなってるんですか?」
 アンサンブルの練習が終わった後、興味津々って顔で加地くんが聞いてくる。
「どうって、別に、どうも…」
「どうもって…でも、昼休みとかに会ってるんでしょう?」
「うん、でも仕事してること多いし、邪魔はしないって約束してるし」
 話とかは、あんまり出来ない。
 おれは、吉羅さんの顔が見れるだけでも、嬉しいし。
「えー、もっとアプローチしたりとかしないんですか?吉羅さんみたいなタイプは押していかないと駄目なんじゃないかなあ」
「そうか?あんまり押したら逆に引かれそうな気がするけどな」
 加地くんの言葉に、土浦は腕を組んで首を傾げる。
 おれは、吉羅さんみたいなタイプって言ってもよく解からないし、邪魔はしたくないし。
「多分、仕事の邪魔するようなことしたら、嫌われちゃうよ」
「……まあ、それは」
「確かにな。むしろ理事長室に通うの許してもらってるだけ、凄いんじゃないか?」
「それは言えてるね。嫌な相手だったらそんなこと許さないだろうし」
 おれもそう思う。
 理事長室に行っても良いってことは、少なくとも嫌われてないってことだよね。
「で、告白とかはしないんですか?」
「こ、こくはく!?」
「だって、通ってるだけじゃ、何も進展しませんよ?」
「う…、それは、そうかも知れないけど、時々、勉強で解からないところとか、教えてくれるし、何も話さないって訳じゃないし…」
 ていうか、告白って。
 おれが、吉羅さんに好きって言うってことだよね。
 想像しただけで心臓が破裂しそうで、駄目だ。兎に角今は駄目。
「そ、そういうのは受験が終わってから!その前に言ってもし駄目だったら、受験も駄目になっちゃいそうだし…」
「…まあ、それで火原さんがいいなら良いですけど」
「受験前に言ったところで、向こうも大事な時期に何を言ってるんだ、ぐらいしか思わなさそうですよね」
「うん…」
 ほんとに言われそう。
 だから、兎に角受験が終わって、結果が解かってからにしよう。
 卒業しちゃったら、やっぱり会い難くなるから、それまでにはちゃんとしなきゃって思うけど。
 …吉羅さん、大学の方にはあんまり来ないのかなあ。
 やっぱり、卒業までにちゃんと、言わなきゃ駄目だよね。
 でも、今は勉強を頑張って合格することを考えなくちゃ。それから、アンサンブルも頑張らないと。
 でなきゃ、吉羅さんも呆れちゃうよね、きっと。




 受験も終わって、合格発表も終わった。
 でも、気分は重い。
「はあ…」
 思わず溜息。
 吉羅さんの顔を見たら、元気出るかなって思ったんだけど、結局溜息を吐いちゃう。
「はあ〜」
「何なんだ、さっきから」
 また溜息を吐くと、じろっと吉羅さんに睨まれた。
 やっぱり、睨まれると恐い。
「金澤さんから聞いたが、合格したんだろう。何をそんなに溜息ばかり吐いているんだ」
「えっと、合格はしたんだけど……」
「何だ」
「筆記の点数、ギリギリだって、先生に言われて。もっと頑張れって言われたんだけど……おれ、自分じゃこれでもすごい頑張ったけど、それでも足りないんだなって」
 これ以上、どう頑張ったらいいのかな。
 学校の先生になりたいって夢のために頑張ろうって思うけど、頑張っても、おれじゃ駄目なのかな。
「前にも言ったが、結果が全てだ」
「…吉羅さん」
「どんなに努力しようとも不合格は不合格だし、ギリギリであれ合格したなら合格で良い。そこに結果は出てるだろう」
「でも…」
「此処で落ち込んでいたところでどうしようも無いだろう。君は、大学に行ってどうしたいという目標があるのかね?」
「目標…」
 それなら、勿論ある。
「おれ、学校の先生になりたいなって、思ってて…」
「教師に?」
「うん」
「だったら尚更気負う必要は無いだろう。あの金澤さんだって教員免許を取れたんだ」
「ちょ…っ、それ、金やんに言ったら怒られない?」
 あんまりな言い草に、落ち込んでた筈なのに思わず笑ってしまう。
 吉羅さんがこんなこと言ったって聞いたら絶対怒るよ。
「本当の事だ。まあ、あの人は要領だけは良かったがね。君が本当に教師になりたいと思うなら、君は君に出来るだけの努力をするしかない」
「吉羅さん…」
 励ましてくれてるんだよね、多分。
 何か、そういうの凄く、嬉しいなあ。
「しかし、君が教師か…」
「あれ、おれが学校の先生になるっておかしいかな?」
「別にそういう訳じゃない。ただ、何故教師なのかと思ってね。君の実力だったらプロになって何処かのオーケストラに入ることも出来るだろうし、アマでも続けていけるだろう」
「おれ、学校の先生になって、音楽の楽しさを知らない子たちに、そういうこと、教えてあげたいなって。音楽は楽しいんだって、知って欲しいなって思って」
「音楽は楽しい、か…」
 呟くように、吉羅さんが言う。
 ちょっと前までは、吉羅さんも音楽のことあんまり良く思って無かったんだよね。クリスマスコンサート聴いてから、リリとも仲直りしたみたいだし、好きになってくれたのかなって思ったけど。
 今でも、そんなに好きじゃないのかな。
 だったら、寂しいな。
 音楽は楽しいのに。
 トランペットを吹くのは気持ちよくて、凄く、楽しいのに。
「吉羅さんは、今でも音楽のこと、あんまり好きじゃないの…?」
「……良い音楽は良いと思う。特に、君や、アンサンブルメンバーの音楽は、悪くない」
 悪くないってことは、褒めてくれてるって事かな。
 だったら、嬉しいけど。
「君が、音楽で人を楽しませたいと願うのなら、それこそ難しく考える必要は無い。何より君が楽しんで演奏しなければ、人を楽しませることも出来ないだろう。特に君は音に感情が出やすいようだからね」
「…うん、そっか、そうだよね。おれが楽しまなきゃ」
 音楽のこと楽しんで、それで、先生になることも頑張って。
 難しい顔してたら、ほんとに人を楽しくさせるなんて、出来ないだろうし。おれは、おれに出来ること、頑張るしかない。でも落ち込んでばっかりいたら、だめだよね。
「有難う、吉羅さん!」
「いや…側で落ち込まれていても迷惑だからな」
「へへ、ごめんなさい」
 でも、何か元気出たな。
 此処に来た時は凄く落ち込んでたのに、もっと頑張らなきゃって気になった。
「でも、ほんとに嬉しいから。ありがと」
 厳しいこと言ったりするけど、本当は優しいんだなって思う。
 そう思ったら、また好きだなって思って、どんどん、好きになる。
 この気持ちに、終わりってあるのかな。



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